ここから鎖場のオンパレード。高度は一気に上がっていく。
百間長屋を過ぎると登山道はがらりと豹変する。目の前に立ちはだかる岩に鎖が一本。しかしこの程度ならアッちゃんは減っちゃらだ。この周辺の地質は独特で、海底火山の隆起によりできたそうだ。岩の表面はまさに掴んでくれと言わんばかりに丸い石が突き出ている。まるでボルダリングのジムのようだ。そのため急な岩場に見えても鎖の助けをさほど借りなくてもスイスイ登ることができる。しかし油断は禁物。登りきったところからは鏡池が見える。こうやって辺りを見渡すとすっかり秋だ。
この先登ってまた登ってと岩場が続くが難なくクリア。そして一際大きな岩が現れた。蟻の塔渡りの手前、胸突き岩だ。見上げると岩の半ばで先行している男女が悪戦苦闘している。岩を落とされることは無いと思うが、慎重に後を追う。すぐに二人に追いついてしまったが、ここで抜かすことは不可能。先に登るのを岩の途中で待つ。それにしてもここは高度感あるな・・・。
二人が登ったのを確認してから再度登り始める。ここでもアッちゃんはスイスイ。胸突き岩を登りきると目の前には戸隠名物の蟻の塔渡りが飛び込んできた。今年もここまで来てしまったぞ。
この程度ならアッちゃんはへっちゃら。
鎖に頼らなくても岩がしっかりしているので登りやすい。
眼下に鏡池が見える。紅葉もだんだん見事になってきた。
どんな岩でもグイグイ登っていく。
蟻の塔渡り手前の胸突き岩。先を行く男女が難儀している。
ここでもアッちゃん鎖無しで軽快に登る。さすが岩の達人。
無事胸突き岩を登ったアッちゃん。その目の前には・・・。
戸隠名物、蟻の塔渡りだ! アッちゃん絶句。行けるか?
さぁ、先に渡ってアッちゃんの勇姿を撮ろう。
後から追いついたアッちゃんはというと、目の前のナイフリッジを見て絶句。さて、風は無し。先回りしてアッちゃんの勇姿を撮ることとしよう。前回同様、二足歩行でツッタカタ~と渡りきる。
振り返ってカメラを構えるとアッちゃんの姿が岩の向こうから現れた。
「じゃあ、立ってみましょうか」
とリクエストすると見事にナイフリッジの上で仁王立ち!
でもって写真を撮る。しかしOKが出た途端に岩に這いつくばってしまった。そのままゆっくり前に進むアッちゃん。
行く手は幅数十センチのナイフリッジ。ここで落ちたらひとたまりもない。やっぱここは安全に行こう。
でもちょっと腰が引けてるか・・・。
お見事。アッちゃん蟻の戸渡りに立つ! うまい具合に逆光。これ来年のカレンダーにしようか。バックは飯綱山だ。
あれ? 写真撮影終了と同時に岩に這いつくばってしまった。
「ちょっと立ってみようか・・・」
「やっぱダメだ!!!(汗)」
「ここは安全なところを行こう。」
「怖くない! 怖くない・・・ぞ!」
まさに蟻さん状態。
「ひぇ~ あと少しだ。」
ちょっと腰引けてる・・・。
スリル満点のルートを何とか無事に渡りきってホッとするアッちゃん。改めて振り返ってみると険しさがよくわかる。ここはナイフリッジの上を渡れない人のために鎖の着いた巻き道があるが、こちらの方が危ないんじゃないか?と前回も思った。
あと一登りすれば標高1,900mの八方睨だ。しかし今回のコースの核心部はまだまだ先。この蟻の塔渡りは序章に過ぎない・・・。
名物のナイフリッジも無事通過。しかしここはまだ序の口だった。