塔ノ倉 ~秋の足跡~
北風と雨の山頂
奥の院から塔ノ倉へ。最初は足元が悪い。
よくよく見ると、社の左手奥に薄い踏み跡が続いている。地図で確認してもこちらの尾根に向かえば良さそうだ。よく見ると先に鉄塔巡視路の指導標も見えている。しかしここからちょっと足元が悪い急登だ。途中で木々に捕まりながら、安定した踏み跡へとたどり着く。ここからは巡視路に沿って歩いていくが、先ほどまで降っていた雨は止み、日差しまで出てきた。このまま好天でいてくれないかな。
間もなく鉄塔が見えてきた。ここまで木々の中を歩いてきたけど、一気に視界が開けた。向かいの山にはガスが掛かっている。今日はこんな天気が続くのかな。
道は穏やかな上りになってきた。そして天気も好転し、木々の間から日も差すようになってきた。しかしこの先こんな日差しが続くことはなかった。
ここは巡視路なので、この先鉄塔があるかも。
雨はすっかり止んだ。このまま晴れてくれればいいのに。
鉄塔が現れた。ここで電線を横切る。
視界が開けたが、周りの山はガスの中。
塔ノ倉に向けて鉄塔を後にする。
急登を山頂に向けてひたすら登っていく。ここから雨と風が更に強くなっていく。
鉄塔を過ぎると先ほどまで顔を見せていたお日様が雲に隠れ、また雨が降り出してきた。更に悪いことに冷たい風も強くなってきた。寒さと強風に耐えながら、落ち葉が敷き詰められた滑りやすい斜面を登っていく。先行するアッちゃんは風を避けるように尾根を外し、登りやすい箇所を探しながら登っていく。それにしても寒い。冷え性のためか、指先の感覚がなくなってきた。
傾斜が緩くなったところからちょっと進むと塔ノ倉山頂だ。山頂には三角点がぽつんとあるのみ。周辺は木々に囲まれ、地面は落ち葉のベッドのようになっている。
塔ノ倉山頂に到着。ぽつんと三等三角点。点名は塔ノ倉。
山頂は木々に囲まれているが比較的緩やかで広い。天気が良ければのんびりしてみたいな。
なかなかいい雰囲気の山頂だ。ここは是非秋に来てみたい山だね。
これで晴れていて空気が済んでいたらなんと雰囲気のいい山頂だろう。見通しが悪くても静かな奥山を味わえると思う。もう12月だけど雪が積もってないので、まるで秋の足跡を見ているようだ。
とは言ってもこの冷たい風では山頂で食事をするわけにもいかない。早々に下山することにする。