摺古木山

摺古木山 ~命大事に 生きて帰ろう~

ミゾレと突風とガスの中

  

避難小屋から登山道が始まる。笹に覆われた山々がいかにもこの山域らしい。この時期はまだ笹が生長していないと思っていたが、既に所々笹を掻き分けていかないと進めない箇所もある。

また、残雪もまだ多くあり、凍っている上に足を乗せるものなら運が悪いと谷に滑落する恐れもある。残雪の上は一歩一歩ステップを切って慎重に進んでいく。

恐らくゴールデンウィークに山に入った人のものだろう、残雪の上に微かにトレースが確認できる。しかし途中で踏み跡を見失ってしまった。

摺古木山

避難小屋を出発。ここから摺古木山へ向かう。

  
摺古木山

現れた残雪。下は凍っているので危険極まりない。

摺古木山

名物の大岩。天候は最悪。

摺古木山

梯子も普通なら簡単なのだけど足元は凍っていて危険。

  
摺古木山

直登コースと周遊コースの分岐にある指導標に到着。休んでいると体が冷えてくるのでそのまま直登コースへ。

すぐに地図とGPSで確認。正規ルートは笹で覆われて見にくくなっていた。何はともあれ一安心。雨の中ひたすら笹の中を登っていくと、直登コースと周遊コースの分岐に到着。指導標からは直登コースを辿る。

天候は悪化するばかり。ガスはだんだん濃くなり、雨風も更に強くなってきている。分岐から急登を登っていくと、樹林帯の中は一面の残雪。目印のテープもなかなか見落としがち。どうもコースから外れてしまったようだ。変なトレースを付けるわけにもいかないので、ここでも地図とGPSで確認。山頂への方向はこちらでいいようだ。


  
摺古木山

残雪の上を歩いていくと、笹が生い茂る向こうに雪の山が見える。笹を掻き分け登っていくと、そこが摺古木山山頂だ。必死の思いでようやく最初の目標ポイント、摺古木山に到着。辺りは残雪に覆われている。

ここまで必死に登ってきたが、まだ先の安平路山がある。しかしこの先いくべきか?

摺古木山

摺古木山山頂に到着。山頂のコンディションは最悪。長居はできないね。

  

というものの、辺りはガスで見通しは最悪。風は突風で体が持っていかれそう。さらに強い雨、いや、ほとんどミゾレだ。夏日の予報とは真逆だけど、山の天気と下界の天気は違って当然。

突風とミゾレは安平路山の方向から容赦なく叩きつける。

摺古木山

顔を出していた三角点。

摺古木山

安平路山への指導標。この先が安平路山。

  
摺古木山

山頂は残雪に埋もれている。雪が解けきるのはいつだろう?

ここである言葉がふと頭をよぎった。

「命大事に」
「生きて帰ろう」

そう、この先強引に進むと無事安平路山に辿り着くことができても、体力は消耗して明るいうちに帰ることができなくなるかもしれない。
今日はここまで。即決だった。また来ればいいや。


  

帰路は自分のトレースを辿れば良い。万が一外れてもGPSでログを取ってあるから多少は安心。一気に分岐の指導標まで下りる。面白いことに下るに連れて徐々に風も弱くなってくる。

そして残雪も往きよりは緩くなっているので、滑らないようにここでも慎重に進む。ガスも徐々に薄くなり、ホッとしたところで行く手に避難小屋が見えてくる。小屋を出発して3時間半弱の山頂へのピストン。もうフラフラ。すかさず小屋の扉を開けて座り込む。

摺古木山

突風の山頂に居たのはわずか。すぐに下山。

  
摺古木山

下山するに連れてガスも掃けてくる。

摺古木山

分岐に到着。休むこと無く進む。

摺古木山

残雪脇の氷を踏まないように。滑ったら谷底。

  
摺古木山

沢を覆う残雪。この上をステップを切って歩いて行く。この雪もいずれは消えるだろうが、いつのことか。

摺古木山

往きのトレースを辿っていく。

摺古木山

思えばこのコンデションでよく山頂まで登ったもんだ。

  
摺古木山

ちょっぴり春の気配。

摺古木山

そろそろ登山口か。

摺古木山

避難小屋についた。何よりも休憩。


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