◆劔御前・別山~真砂岳
朝の劔を見て、5時から朝食を食べて劔御前の最高地点に散歩する。三角点ピークはさらに20分程かかるためやめた。小屋に戻って荷物を持ち別山に向かう。昨日のダメージが感じられたら即室堂へ行くと決めていたが、問題ないので立山の周回を決定する。
すぐに祠のあるピークに到着するが、最高点はさらに5分ほど歩く。雪を残した硯ヶ池の辺を歩き到着する。後立山連峰が逆光状態で黒く見える。白馬から五竜を経て鹿島槍、さらに針ノ木岳、下には黒部湖がグリーンの水を蓄えている。
別山からは真砂岳との鞍部へ急降下させられる。左手に雪を蓄えた内蔵助カールを見ながら鞍部からの登り返しである。内蔵助山荘への分岐を過ぎると間もなく真砂岳頂上である。この頂上は寂しいことに、三角点もなければ表札らしきもない。
水分補給をしてすぐ立山に向け出発する。ここで雨が降り出し、途中でカッパを着る。内蔵助カールを左に見ての富士の折立に向け登り返しである。大粒の雨はすぐに止み天気が良くなる。
◆立山縦走~室堂
富士の折立のピークは登山道から少し外れており、先行者と同じくザックをデポしてピークに向かう。岩場を歩くとすぐに尖った狭いピークにつく。後立山連峰と黒部渓谷を見下ろす景色に感動する。
ここまで高度を上げると、もう高低差はほとんどないので少しホッとする。
立山は3回目だが、最高峰の大汝山は踏んだことがないのでこの日が初めてとなった。休憩所の南に登り口があり、登山道から少し外れる。
相変わらず展望は良く室堂側はミクリガ池や地獄谷、大日連峰が綺麗だが、今までと特に変わらないので雄山へと急ぐ。雄山は尖ったピークの上に神社の祠をのせている。トップの狭い神社の境内に上がるには500円の拝観料がいるとのこと。先客が祈祷を受けているので、30年ぶりの雄山神社は下から拝むのみとした。上へ上がる階段の右側が切れ落ちていて、が子供心に恐怖を覚えたことを思い出した。でも現在は、広く加工されたようである。
休憩なしで、三角点タッチをして一ノ越へ下ってゆく。最初は快調だが、次第に登山者が増えて対向に苦労する。ついには長蛇の列の小学生軍団が来て時間を取られる。
一ノ越に着くと大勢の登山者が居てうんざりである。すぐさま室堂に向かって下りだす。コンクリートで舗装された”道路”は所々劣化していて昔からあることがわかる。雪渓を4回ほど歩いて一般観光地のような室堂のターミナルに着いた。
◆室堂より馬場島
ターミナルに到着して、タイミングよく美女平行きのバスがあるのでならぶ。バスが出て空はますます雲が多いが雨は降らない。左手になんとか鍬崎山が見える。ソーメンの滝、称名の滝を見たら弥陀ヶ原も終わりである。
美女平からはケーブルカーである。地鉄の立山駅では寺田で乗り換えて上市まで行くことを教えてもらう。時間が来て電車に乗り込もうとすると、どこかで見たような電車が止まっている。“テレビカー”って京阪電車の特急じゃないか?
関西出身の記憶が蘇る。中古車利用はよく路面電車なんかで聞くが、このローカル私鉄でもそうであった。ちなみに、テレビは薄型の地デジ対応である。
上市に着くと、タクシーを探すまでもなく登山の格好の僕を見つけては、「馬場島ですか?」と問いかけてくる。30分ほど、7,000円ほどかかって馬場島に戻った。
◆帰途
靴を脱ぎ車に乗って、タクシーで来た道を立山インターに向けて逆戻りする。体がクサいので上市のつるぎ恋月という旅館の日帰り入浴を利用する。タクシーの運転手に教えてもらったスポットからの素晴らしい劔の写真が飾ってあった。現実は雨が降っていて見えなかったのが残念。
富山からは国道41号を走り、途中360号、471号を経て飛騨古川で41号に戻る。道の駅でそばを食して高山へ、高山からはせせらぎ街道で郡上へぬけた。
(おわり)