塩見岳

落ち葉のじゅうたん

  
  

◆頂上~塩見小屋

結局、最低時刻を少しオーバーしたくらいだったが、体力の減退レベルが大きかったので泣く泣く蝙蝠岳は諦めることとする。~もう行けないだろうなぁ(‐o‐;) ~

当初、蝙蝠岳ピストンをして塩見小屋で幕営を考えていたが、幕営禁止なのである。このあと誰も来ないことがわかっていたけど・・・でもここでテント張るとレポート書けないやん!(笑)で、遅い昼食して三伏峠に向けて行けるところまで頑張ることにした。カップラーメンとコーヒーを食するが、この手のインスタントものや乾いた栄養食に食傷気味で食欲が出ない。

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  • ◆塩見小屋~本谷山

    明日のスケジュールは、予備で考えていた三伏峠から荒川岳に向かう稜線にある小河内岳に設定した。明日を楽にするためには少しでも三伏峠に近いところまで行くことであるが、バテバテの脚では三伏峠のテン場に暗くなるころにしか着けそうにない。ならば無理せず途中で幕営・・・ビバークである。


◆幕営

本谷山のピークに着くと15時30分をまわっている。だんだんとガスってきて寒くなる。頂上はちょっとした広場になっているため、ハイマツの横にツエルトを設営しフライシートをかぶせる。あらかじめ細引きを着けておけば早く設営できたことを反省。

夕食は五目御飯と栄養食とカルパス、またまた食傷気味になる。しかしソロはこれからが寂しいので、ウオークマンを持ってきてしまった。しっ、しかし寒い!たくさん着込んでシュラフに潜り込むが寒い。シュラフの性能を見誤っているみたいなのと、荷量の容積減を図りマットを薄手のものにしたのが失敗なのか経験のなさが随所に出てくる。熟睡できないまでも、何とか朝までしのぐ。月明かりの中、風は時折強く吹くくらいで大きな問題はないが、ツエルトの内側の結露は霜状態になった。


◆起床~スタート

6時半頃に起床、いい天気である。中央アルプスの壁に朝日が当たっている。宝剣・空木・南駒・仙涯嶺・越百の稜線がはっきりとわかる。右手には仙丈・甲斐駒・白峰三山・塩見が遮る物なく見え、すがすがしい朝に感謝!

  • 食事を済ませ、徹営中に最初の塩見行き男性ソロが通りかかり、挨拶する。徹営を完了して三伏峠向けて出発する。

    夜の寒さ(厳密には寒く感じた?)はなんのその、すぐにフリースを脱ぎ、シャツ2枚でちょうど良いほどの暖かさである。

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◆三伏峠分岐~烏帽子岳

本谷山から三伏山間では意外と長く、細かいピークをいくつか越える。三伏山で一息ついて、荒川岳への分岐に着いたのは昨日より遅い8時34分であった。そこから樹林帯の中を10分ほど下り、樹林帯を抜けたところから登りが始まる。斜面をトラバース気味に登っていくと烏帽子頂上への尾根道が見渡せるようになる。頂上から人が降りてくるのがはっきりとわかる。で、すれ違えば昨日の塩見頂上直下ですれ違ったソロの女性であった。

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  • さっき見えた尾根を登りだすと、意外と早く、分岐から30分ちょっとで頂上に立てた。谷を隔てて見慣れた塩見が高く、行きたかった蝙蝠岳の横に富士山が見えている。小休止して、次のピーク前小河内へ向かう。


◆烏帽子~小河内岳

起伏はあまり大きくないものの、昨日からの疲れが出て早くもヘロヘロ状態!それでも塩見沢などある大きな谷を隔てて塩見や蝙蝠が見守ってくれる景色の中を幸せな気分で歩く。ここの稜線は西側の長野県側が崩れており、もうすぐ登山道がなくなりそうである。ちなみに反対側は静岡市!こんな人が住めない大自然でも政令指定都市である。

40分もかかって到着し、ここでようやく荷物をデポすることを思いつく。

  • カメラと非常食などを持って小河内へ向かう。稜線の風は強く、ハイマツの低いところは寒いが高いところは日射で熱い。寒暖差が大きなため、温度調整をこまめに行う。基本は冬のいでたちである。

    小河内への登りは急ではないので、疲れていてもあまり難なく登れた。

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◆小河内岳~三伏峠

さあ、あとは帰るのみ!三角点タッチして、しばらく休んで、避難小屋は寄らずにもときた道を引き返す。だれも居ないと思っていたこの稜線に、ふと見上げると前小河内のトップに複数の人がいた。どうも降りてくる様子がなく、頂上で挨拶することになった。男性4名、女性1名のグループは先行したので、デポした荷物を回収しあとを追うことになった。

  • 塩見岳写真
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  • こちらから見る烏帽子岳はあまり尖ってはないが、薙ぎを伴い荒々しい山容を見せている。烏帽子の下でエネルギー切れとなり、栄養補給し再度の烏帽子に登り、ずっと付き合ってくれた塩見とも分かれて三伏峠に着く。今日の宿泊の登山者と挨拶をし、登山口に向けて下る。


◆下山

9/10からカウントしていくが、いつもの通りストックに頼りながら飛ばす走法である。途中、水場があり先行の5名を抜かす。自然林を抜け豊口山分岐あたりからカラマツの林が目立ち、その落ち葉のじゅうたんがフカフカで気持ちよい。

登山口からは長い林道歩きである。谷を隔てた対岸に駐車場が見えているが右手の斜面沿いに回りこんでいる。一面カラマツの斜面はまだ残っている葉っぱが太陽光を反射して黄金に輝いている。もう少し早ければ本当に綺麗だったろうと思いながら歩いていると、間もなくゲートに着いた。(おわり)

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