槍ヶ岳

へぇ~

  
  

へぇ~!芥川龍之介って、槍ヶ岳に登ってるんだ!!

槍ヶ岳を知ったのは山歩きを始めて間もないころであり、それまでは名前はおろか存在も知りませんでした。つまり山そのものに興味がまったくなく、眼のまえにある里山さえも視界を遮る壁のように思え、なんなんだ!この景色!と憤りさえ感じていたのでした。しかし今では「あーっ!槍だぁ!!」と喜んだり、つぎはどこに行こうと空想にふけるようにもなり、こーまで変わるとはねぇと自分のことながら呆れるのでした。

そんなわけ槍ヶ岳。唯一す~さんが自信をもって同定の出来る山(苦笑)。漠然ながらいつかは行ってみたい。そしてあの梯子を登ってみたい。芥川龍之介が佇んだであろう同じ場所に行ってみたい。。

そんな淡い夢を抱きつつ日々を過ごしていました。やがて季節は夏から秋へと変わろうとしていたある日のこと。体力づくりのため職場仲間といっしょにプールへ行きました。ん十年ぶりのプールでウォーキングと泳ぎを幾度も繰り返し、山のみならず水中でもヘロヘロ。わ、若さがほすぃ~と水を噴き出しながら休憩をとるため、水槽内に取り付けられた梯子につかまったそのとき、とんでもない錯覚に陥ったのでした。

「こ、このポジション・・・」。

まっすぐに取り付けられた梯子(たかが3段)とバランスを崩したらあやうい雰囲気。手を離したら危ない!下みちゃだめ~っ!!。

「さ、三点支持やん?!」。

あの~ここ、水深1メートルなんですが。しかも足ついてますねん!。

「よし。決めた。」。

何を決めた?この人、思いたったら吉日か? たちのわるいくせですね~(爆)。

「・・・というわけで、すみませんが明日からちょ~っと夏休みいただきます。」。

台風一過の晴天に恵まれた9月第2週目。天気jpで目的地の天候を把握したす~さんは鼻息荒く、登山口を目指しハンドルを握るのでした。ちなみに今回の山行にあたり以下5項目を目標に掲げたのでした。。

1.15時までに小屋につく。

2.梯子にとりつくことができる。

3.山頂でくまちゃん写真をとる。

4.夕日と朝日を見ることができる。

5.職員旅行に支障をきたさない (ドタキャンとならない)。

あのー何ですか? くまちゃん写真って? 職員旅行に支障をきたさないって、どういうことですか? ということで、「思いたったら吉日なんです槍ヶ岳 by 小屋泊」と称して1泊2日行程の山行を企てたのでした。

【日時】
平成23年9月8日(木)~9日(金)
【天候】
槍ヶ岳 天気jp
8日 晴れ時々くもり 降水確率10% 信頼度A → 快晴
9日 くもり時々晴れ 降水確率20% 信頼度A → 朝から強風+雨 → 雨
【コースタイム】
9月8日(木)
6:15 新穂高登山指導センター前 → 6:37 右俣林道入口 → 7:20 穂高平非難小屋 → 7:55 白出沢分岐 → 9:06 藤木レリーフ → 9:44 槍平小屋着/9:59発 → 12:22 標高2800m地点 → 13:08 飛騨乗越着/13:12発 → 13:28 槍ヶ岳山荘着/大休憩 14:32 槍ヶ岳すそ → 14:55 槍ヶ岳山頂着
17:00夕食 19:00就寝
9月9日(金)
4:30 起 床→ 6:57 小屋発 → 7:39 坊主岩小屋 → 9:35 槍沢ロッジ着/10:05発 → 11:15 横尾山荘 → 12:13 徳澤園着/12:59発 → 13:43 旅館 明神館 → 13:50 明神池着/14:00発 → 14:41 河童橋 → 14:45 上高地バスターミナル → 15:00 平湯行バス発/15:25 平湯着 → 15:45 新穂高温泉行バス発/16:25 新穂高登山指導センター着

20時までに東海北陸道にのって、ひるがの高原SAで仮眠。そのあと高山で降りてあ~行ってこ~いけば登山口まで楽勝でしょ。それに平日!夏休みも終わって人も少ないから静かな山頂を味わえるはず。うははぁ! 登りの標準タイムが8時間として休憩含んで10時間と見込んで、遅くても朝5時には登山口に取り付いていよう。上高地ルートはバス到着が確か6時台だから、このルートからの登りは見送りだな。時間はありません。なんてったって、思いついたら吉日ですから。だから、こんなことにもなるんです。

あぁ~!くまちゃん忘れた!くまちゃんのことはあきらめるかぁ~。いや、一生後悔する(大げさな)!だってあれは私が来たという証拠だもの。くまちゃんとは、ペットボトルのカバーのこと。くまちゃんを自分に見立て山頂の画像を残しているわけです。そんなわけで・・・とりに戻ったことで30分ロスタイム。でも、ひるがのには意外にも早く到着。ここでの仮眠が中途半端な気分となり登山口付近で仮眠すればいいやん!高山からR158に入り平湯温泉を目的にハンドルを握るす~さん。あ~行ってこ~いけばの適当なルート把握。カーナビがあると現在地も分かるだろうけど、それよりも平湯の看板が出てこない。まぁいいか。ここで仮眠するかぁ~。とある道の駅で車中泊しました。

早朝陽がまだ上がらないなか、お手洗いを済ませ掲示板に貼ってある地図を見たす~さん。一気に眼が覚めました。

・・・みち、間違えてるやん。

平湯温泉どころか、神岡方面に向かっていたことに初めて気づいたときは遅し。つまりR41を延々と走行していたわけです。えらく遠いところまで来てしもうたなぁー。でも神岡から新穂高温泉へは行けられる!ですが時は既に朝4:30。5:00に登山口なのに・・・と時間がおしている現状に、はんべそ。すべては自分の責任のほかならないわけです。

こんなんじゃ、登山口にすら行けられない(涙)。梯子にも登られない・・・かな(泣)


「いやぁー。去年の今ごろはねぇこんなことなかったよ。こっちも驚いてるよ!」

8日(木)の朝6時少しまえ。あてにしていた深山荘近くに位置する登山者用無料駐車場はすでに満杯。警備の方もびっくりされたご様子。車は道まであふれていました。思うようにことが運ばない状態は、モチベーションを上げにくくするわけで前途多難。道は間違えるし駐車場は満杯。計画では今ごろ林道を歩いているはずなのに・・・。

しかーっし! くよくよしても仕方がない。だってここまで来ちゃったもんっ。最近開き直りが上手になったわ、あたし(加齢に伴うふてぶてしさ増強とは気付いてないところが、またふてぶてしい)。

路肩に車両を駐車し(こんなとこに置いてごめんなさい!)す~さん、つぶやきました。

「さー!行くぞ!」

駐車した場所からほどなくして、登山指導センター前に到着。なま指導センターを眼にしたす~さん。「木村さんの俺山 番外編 cirrusさん 2010の山行記録 槍ヶ岳編」でお目にかかっていたため、わぁ!本物だ!と後ずさりするのでした(笑)。

  • 槍ヶ岳写真

    6:10am 車両駐車

  • 槍ヶ岳写真

    6:15 登山指導センター前 目指すは右俣よ!

  • あとは右俣林道目指して登るだけ! るるるん! のはずが、何を考えてるのでしょ。橋を渡り左方面に入ったす~さん。笠・双六という看板がやけに目立つと思ったらそこは左俣林道。地図を広げたことで間違いに気がついたもの右往左往(人が居なく聞くにも聞けない状態)したため再度ロスタイム。

    結局、本格的なスタートは6:37amとなったのでした。なにやってんだか・・・。


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