戸隠山

未消化であった夏期休暇

  
  

未消化であった夏期休暇を利用し、紅葉まっさかりの山頂から日本海を眺めるを目標に雨飾山山行を計画したはずでした。いいえ。ほんとうのことを述べるなら北岳で星に願いを!・・・でも、流星群が見られないとき流れ星って?おまけに日没が早いこのシーズンの山行は行動にも制限が来たされ、バス発着時刻がより気がかりになる。だからこの企画は見送り。ならば常念岳→蝶ガ岳周回!も、予定していた日時の朝方まで仕事が入っていたことを直前になって気づき(気づくの遅ッ!)これも見送り。どのみち林道工事による交通規制もあり自由に林道通過が出来ないでは時間の制約に拍車がかかる。そしてアルプスに属する山の頂は朝夕共に氷点下を辞さない状態となり、低体温への留意が必要となってきたわけで。

そのため遠方ではあるけど、片道3時間ほどで登頂可能で(夜行)日帰りが出来る雨飾山山行を計画。あとは登山口がある小谷温泉へ向かうだけのスタンバイ状態だったその直前・・・。cirrusさんの戸隠山レポートがupされ「蟻の塔渡 立って渡った」という文字を眼にしそんなバカな?! 蟻の塔渡を!!と驚いたのはいうまでもなく、眼を疑うとはこの状態を指すことを意味するのでしょうか。

す~さんが戸隠山を知ったのは約一年前。俺山山行の折、話題に出たことをきっかけに知ったわけで 話によればその山は非常に険しく、立って歩くこともままならない個所があり、あまりの厳しさに這いつくばるようにして移動する。その姿が遠くからみるとまるで蟻のうごくさまに似ている...。それが蟻の塔渡。

雨飾山、戸隠山。途中までは道はまったく同じ。利用したいインターが違うだけ。奇しくも季節は秋。女心と秋の空とは、うまく言ったものですね。計画した雨飾山、取りやめとしました。それよりも百聞は一見にしかず。蟻の塔渡をみてみたいとココロがシフトチェンジ(どーゆーチェンジやねん!)。そんなわけで下車予定であった豊科ICをスル~したす~さんは、長野ICへと進路を延ばしたのでした。

【日時】
平成23年10月19日(水曜日)
【場所】
戸隠山 1904m 日本二百名山
【天候】
快晴
【コースタイム】
7:50 駐車場 → 8:05 隋神門 → 8:20 登山口 → 9:05 五十間長屋 → 9:50 蟻の塔渡り/剣の刃渡 → 10:10 八方睨 → 10:25 戸隠山山頂 → 12:20 一不動避難小屋/13:05 発 → 14:15 戸隠牧場 → 15:00 ささやきの小径 → 15:45 隋神門 → 16:00 戸隠奥社参拝 → 駐車場
【目標】
[1]蟻の塔渡・剣の刃渡を見てくること。
[2]蟻の塔渡・剣の刃渡を渡ってくること。

自宅からはるか遠方に位置する戸隠山。余裕ある行動をしたかったこともあり夜行日帰り。このため長野IC手前の姨捨(おばすて)PAで車中泊したもの、量販店で購入した激安シュラフから何やら異臭が漂う。使う前に干しておくべきだった・・・。同時に「姨捨」という響きになーんだか...と先行きの不安が膨らむ。5:00amを少し過ぎたころ寝たような、寝ていないような感覚での覚醒はやっぱり山行を辞めようかとネガティブになり、くわえて外は霧が発生し視界が悪いうえ、風にあおられた旗が勢いよくなびいている。行かなかったではなく、行けられなかった言い訳を探そうとする自分に辟易する。豊科に引き返し雨飾山に・・・考えるほど弱気となる。でもさ~ここに来たのも、選んだのもあんた自身でしょ?。蟻の塔渡見たいのでしょ? 渡るのでしょ?と自問する。yes。自答しながらまだ眠りについているであろう長野市内の街中を経由し戸隠へと向かったのでした。


時間の経過とともに天気は回復し秋晴れとなる。戸隠神社奥社駐車場は、どこに停めてもいいから!と迷うくらい空いていたもの、このなかで登山の格好をしていたのはす~さんだけ。ありぃ~? この山人気ない?

躊躇しつつも、ここまで来たからあとは行くしかありません。

※登山ルート詳細はcirrusさんの戸隠山山行レポートをご参照ください。

  • 戸隠山写真
  • 朝早かったこともあり、戸隠神社奥社境内は人もまばら

    直前に知ったことですが戸隠神社はパワースポットでもあり大変人気ある場所であるとか?

    そのため、週末は非常に混雑するようですね。

  • 戸隠山写真
  • たくさんの人が訪れる一方、おろかな人もいるとみえて・・・。

    理解できません。はい。

  • 戸隠山写真
  • いま思えば、鎖場もそれなりにきつかった。

    だけど、境内の階段や一不動避難小屋から戸隠牧場間の沢づたいの道がじつは、いちばんきつかった。

    なぜなら一見なんでもないところこそ、手がかりがないわけで、バランスをとることがいかに下手であったか!

    階段は体力勝負なわけで、歩調がとりづらく疲れる。とほほ~。

  • 戸隠山写真
  • 奥社社務所横、登山口付近より見上げる戸隠山。

    おぉ~!! なかなか荒々しい印象!!

戸隠山写真


荒々しい印象ではあるのも、しばし紅葉に見とれてしまいました。きりたつ岩壁を見上げながらかつて旅行で訪れた北海道の山もこんな感じだったなぁ~。あの当時す~さんにとって山は登るものではなく眺めるものでした。あれから何年たったのでしょう・・・。

  • 戸隠山写真
  • 急登チックな登山道をすすみ、あぁここが五十間長屋ね。

    このプレートに気がついてよかった(笑)。

  • 戸隠山写真
  • しばらくして百間長屋を経由。その後鎖場の連続に閉口。

    あんなとこや、こんなとこ。ど~やって登るの?!

    ・・・えらいとこ、来てしもぅたなぁ~(大泣)。

    垂直に近い鎖場。背部から転げおちそうなところを登っていく(いった)わけですが・・・。怖くなかったと言うと嘘になります。だけど、自分にとって何が怖いかを考えました。こたえは非常に簡単でした。

落ちたらどうしよう・・・ それが答えでした。

戸隠山写真


落ちたらってそれはす~さんが引き受けるべきこと(ただし迷惑をかけることにもつながるか・・・)=自己責任。

登山口の看板にも書いてあったでしょうに!落ちたらではなく、落ちないようにするため出来ること、すべきことは何であるかを考えることが大事なわけで、これも答えは簡単でした。出来ることは手を離さないこと。すべきことは3点支持を遵守し、足元にも目配りをする。要は基本を貫くことでした。目配りをするためには、足元が見える姿勢を意識すべきで、岩壁や鎖に身体を寄せすぎないこと。それが理解できたとき意外にも手掛かり・足掛かりが、程良いところにあることに気が付き、おちついていけばここの鎖場は、がちがちに恐れることのない状況であることがわかりました。またこういうときこそ自分を信頼するほかないことにも気づいたわけで、手元、足元、鎖の状況など保証されているか?そのつどの確認も身を守るうえで非常に大事であるとも感じたのでした。基本を貫き焦らないこと。あたりまえと言われれば、あたりまえですね。はい。戸隠山の鎖場。厳しさのなかにある暖かさといいますか・・・正直感動しました。

※あくまで個人的所感でありますこと、ご理解願います。山行の際には十分ご注意ください。

  • 戸隠山写真
  • ここは胸突き岩を登りきったところ。

    そこから見た東側の景色。たしか・・・(笑)

    このあとまだしばらくは鎖場が続き、核心部はまだまだ先と思っていました。


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