◆下山
稜線への急登があったので、降りるのも容易ではない。まだまだ登ってくる登山者とのすれ違いはタイミング勝負である。布団菱が見える沢に降りると、ここからは大好きなブナの森林浴でありヤレヤレである。
平らな木道のところに来るともうすぐ登山口である。小川には相変わらずイワナらしき魚が悠々と泳いでいる。
その様は天然の魚とは思えないが写真を撮っている人に聞くと禁漁だとのこと。
◆大渚山
10時半に下山できたので、天狗原山を断念した時の山として用意してあった大渚山に行くことにする。
国土地理院の地図では破線になっているが登山口の湯峠へは立派な舗装された林道が通っている。
途中の鎌池に行く一般客の車が意外と多い。鎌池の入口を過ぎてしばらくすると、北側に薙ぎ落ちた迫力ある山容が見え出した。湯峠の駐車スペースは10台ほどおけるが1台が空いていてラッキーである。
すぐに歩き始めるが、体力の残量が少ないためすぐに息切れである。人工林のない明るい樹林帯は気持ち良い。
急登をひたすら上ること40分で頂上に着く。ここも展望の山で、雨飾山や断念した天狗原の稜線、その横に妙高が顔をだし、西には相変わらずの北アルプス等気分は最高である。
◆温泉
一番近い雨飾荘は込み合ってそうでパスし、由緒ある小谷温泉の山田旅館で湯に浸かる。ここは古い風呂でシャワーがなく湯船の湯で体を洗う。
打たせ湯のようにかけ流されている湯を汲んで飲んでみると鉄の味である。よって湯は赤茶けている。ポリタンクを持った客が湯を汲みに来ている。
この温泉は、武田信玄の家臣岡田甚一郎の夢枕に観音様のおつげによって発見されことから、現夢の湯(うつつのゆ)といわれ万病に効く名湯として、また湯治場として愛されているという。料金は500円。
(おわり)