池口岳

池口岳

  
  

池口岳 2,392m 200名山

登山日 2011年9月11日(日)

<タイム>

登山口 6:45 → 8:41 黒薙頭 → 11:21 頂上 12:04 → 12:29 南峰→ 12:55 頂上 13:07 → 13:18 稜線分岐 → 15:12 黒薙頭 → 16:40 登山口

北アルプスを物色していたが北方の天気と体調がイマイチとのことで、南アルプス前衛の山を選定した。かつてから行きたいリストにはあったが、ようやくかなった。

遠くから見ると鹿島槍を彷彿させる双耳峰がかっこ良く、しっかり整備され総じて歩きやすいが、尾根歩きが長く展望も少ないため(山頂部で雲が出たので定かでないが)ちょっと面白みにかける山であった。


朝4時に出発し、登山口には6時半ころ到着した。登山届けは最後の民家の前にあり、提出する。そこからの林道は舗装なしの悪路であるが普通のバンでもなんとかたどり着く。

登山口には立派な標識があり、その横には“熊注意”の看板がある。時間的には遅く他車がなかったので、「今日は貸切か?」と鈴をジャカジャ鳴らして出発。

最初は薄暗い植林の中を登るが心のどこかで熊にビビッている(植林地にはいないだろうが)。登りきったところに三角点があるはずだが見回してもなく、探す意欲もなく黙々と登る。やがて自然林にかわり明るくなるが、やはり熊が気になる。実際、熊のものと思われるウンコが踏跡上にあった。踏跡は薄いが(何処を通っても歩ける)印が随所にあり判りやすい。樹間から下栗の里がちらちら見える。

ガンガン登ると意外と早く中間の黒薙に出る。なるほど崩れた土が黒っぽいのである。ここから池口岳の姿が拝見でき意欲が増してくるが、ずーっと右カーブになっているコースはまだまだ遠い。お初のファイントラックのウエアはすでに汗でボトボト、俄然のどが渇く!しかし樹林帯で風が通るため気温の割には涼しい点は良かった。このあたりで少し中央アルプスや熊伏山?が見える。黒薙を越すとすぐに三角点のピークがあり、小休憩をする。少し行くと感動の南アルプスが上河内~聖・兎・大沢がバッチリ、塩見らしきもみえた。

  • これからアップダウンの連続をと思うころ鈴の音が聞こえるでは・・・下山者であった。今日は一人ぼっちと思っていたのでどこかホッとした。時間早いし大きな荷物なので「テン泊ですか?」と聞くと、なんと光岳へのテン泊縦走ピストンとのこと。

    情報収集で話すこと10分くらい。縦走路はあまり踏まれてなく、ガスガスの中藪漕ぎで迷いそうになりなんとかザラ薙平のテン場に着いたとのこと。スゴい人もいるもんだ。読図技術を学びたい!で、どうも先行者が2人ほどいるらしい。


さらにピークをいくつか越え、そろそろ最後のピークかなと思うころソロの男性とすれ違う。最後のピークあたりはちょっとした岩稜越えがある。このあたりは崩落地がアルプスのような急峻さを見せている。分岐に向けて最後の登りの坂でもう1人のソロの男性と会う。そこでの挨拶で南峰に行くには分岐があり左が正解だという貴重な情報を得る。お礼を言って、バテバテで登るとすぐに加々森山の分岐に着き、頂上はすぐであった。

食欲がないほどバテバテの上に時間的に遅いので、休憩しながら南峰へ行くかどうか考える。着替えとラーメン・紅茶などを食し、やはり行くことにする。今日は久しぶりの土日休みで、体調のこともありツエルトのペグなどビバークする覚悟もしていたので・・・

  • 頂上も木々が多く南峰が見えないため、まず何処から行くか地図を見て判断するが良くわからない。いろいろ覗き込みに行き、獣道のような踏跡を見つけて下りだす。ガスが長野側はガスが立ち込めてきた。獣のにおいがしたと思えば鹿の鳴き声が聞こえる。吊り尾根の道は本日の一番の難所である。大キレット(規模はぜんぜん違うが)で言う長谷川ピークのように真ん中に小ピークがあり、その辺りから分岐している。これが先行者に教えてもらったところだと思い左へ行き正解であった。あとから判ったことに、右の道はさらなる縦走路であった。(登山口の看板に書いてあるではないか!)鞍部はほとんどヤセ尾根であり、トラバース気味の道が意外と危ない。恐怖感こそないが、笹で見えにくい道は慌てると木の根が滑りやすく笹原の急斜面を滑り落ちていきそうである。南峰直下は比較的穏やかな斜面で原っぱになっている。所々糞もあり、まさしく鹿の楽園のようである。対面に池口本峰が見え、右に加々森の稜線が見えるが南アルプスは雲に覆われて同定できない。この山の三角点はこの南峰にあるが3等三角点は笹の中に隠れている。見つけてすぐに本峰に戻る。荷物はデポしてあるので身軽だが急いでいるのでまたバテバテ状態である。

本峰に戻りしばし休憩して急降下、と思いきや紐の結び方が悪かったのか両足の親指が痛くて飛ばせない。長野側からのガスの風が涼しくてよいが、くだりでも汗まみれで水分をガブガブ飲む。そんなこんなで17時までには可能だという確信から、スローペースを維持しながらの下山となった。黒薙を越えてからは歩きやすい林間だが(前述の何処でも歩ける・・・)それがゆえにボーっと歩くと違う尾根に下りていきそうである。最後のピークを過ぎたところで登山者あり、この時間から?やはり縦走の人である。テン場まで暗くならないうちにつけるかな?

何とか16時半過ぎに到着したところで1台の車を発見するが、さっきの縦走の人かと思いきや男性が1人降りてきてこちらに寄ってきたので、帰り仕度をしながら長話をした。69歳のその人は300名山をあと35座で達成とのこと。昨日まで塩見岳に行っており、山岳部在籍中や若いころにいけなかった中部の山にまとめて登っているとのこと。次は安平路山だそうでなかなか元気な人である。情報を聞いていると、やはり池口岳は200名山目的の人ばかりかと思う。

200名山に登れてよかった。←お前もかっ!

いいえ、私は貧乏暇なしで北海道や九州なんてとても行けましぇん(-_☆)

帰りは飯田でそばを食し、下條温泉郷の秋桜の湯に入り露天風呂から飯田の花火を満喫して帰途に着いた。

遭遇者:縦走者2名、ピストン者2名、車中泊者1名、鹿(声のみ)、リス(林道にて)  (おわり)


トップへ
シーズン1 シーズン2