富士山(須走ルート)

富士山(須走ルート)

  
  

登山日 2011年5月31日(火)

<タイム> 須走口P7:10→8:05六合目→雪渓→10:00本七合→13:45須走頂上14:44 →六合目16:22→16:50P

今年の天気は変だ!台風1号から日本に上陸したこと、5月から早々と梅雨入りしたことなど、今までの慣れ親しんできた日本の四季が少しずづズレてきているように思う。

今回は最盛期の7月8月を避けた富士登山を考え、台風一過の晴天を狙った山行となったが、結果は自分の未熟さを再確認することとなった。

  • 自宅を3時半過ぎに出発し、東名を飛ばして6時半頃須走口に到着、用意をして7時過ぎに出発した。道中は由比からも御殿場からも綺麗な富士山だが思ったより雪が少ない感じであった。須走口の菊屋さんに聞くと昨日までの台風で融けた量が多かったとのこと。天気は上々で青空が広がっている。

    最初は樹林帯の中を行くが、所々に雪が残る程度で問題なく6合目に着き小休止する。

    問題はここから起こる(起こす)。カラマツなどの針葉樹からダケカンバなどの背が低くなった林の残雪地帯で踏み跡が良くわからなくなる。とりあえず標高の高いほうへ行けば、樹林帯を抜け7合目などの建物を目指せるだろう・・・といつもの悪い癖が出て枝漕ぎ状態となる。

  • さらにバックパックに縛ってある縦走用の長いピッケルが枝に引っかかり、苦戦して必要以上の体力を消耗する。まさにルートファインディングの能力のないことを再認識!

    そんなこんなで樹林帯をぬけても登山道が確認できない。それでも目の前の(吉田口ルートとの間)残雪帯を登る。バサバサの雪で滑落はないが足元がズレて歩きにくい。アイゼンをつけるが大差なし。所々にクラックがあり、下を雪解け水が流れる雪渓状態である。

    安全ではなさそうだが、しばし雪とたわむれていたら登山道が確認できて合流する。本7合で先行者の単独ボーダーにも追いつく。彼もかなり疲れているようである。そこからは頂上部まで続く広範囲な残雪と夏道が交錯しているが、登りにくい雪を避けて夏道を選択する。

8合目や本8合目からは退散する人も出てくる中5時間を目指して頑張るが、山頂部が見えてからが長い。本8合目を過ぎた辺りから雪上を行くが、急に疲れが顕著になる。年配の2人組に抜かれてからはさらに異常な辛さになる。頭がクラクラし、「もしかして高山病?」と思うが頭痛が伴わなく「大丈夫」の判断(何を根拠に?)をする。気力との勝負で、40歩進んで20回呼吸を繰り返すが、徐々にその回数が逆転し最後は5歩がやっとの状況となりながらもなんとか山頂部にたどり着く。

  • 目標5時間どころか標準タイムも上回る6時間半もかかり、14時も近づいている状況。最初のペースを考えると頂上直下での時間のかかりようは半端でない遅さである。

    神社の前には抜かれた2人組と単独者がいたが、2人組が下山してから厚木から来たという単独者と話す。彼は何度も富士山に登っているが本日は高山病にかかってしまったとのこと。ちなみにGWは氷のような雪に途中断念、中旬には少し緩んだためアイゼンでサクサク登れたとのこと。

    お鉢めぐりを考えるが・・・というか、高校生のときに吉田口からガスガスの中登ったときに3,776mという標高の剣ヶ峰という場所があることを知らずに降りてきている。今回はいわゆる剣ヶ峰ピークハントが目的だったのだ。しかし、今日の残り時間と体力ではお鉢を覗き込みに行くことがやっとで簡単に諦めてしまう(諦めざるを得ない)。

  • もとの神社に戻り、コーヒーをのみ栄養補給して下山の準備をしていると横浜から来たスキーヤーパーティ4人組が到着する。

    リーダー格の男性はチベットトレッキングも経験していたが、彼曰く「今日の場合台風のような低気圧から高気圧に変わってすぐ夕方には梅雨空という気圧の変化が激しい時に高山病は出やすいのでは?」とのこと。確かに信憑性はありそう?

    下山は滑落の危険性がないバサバサ雪斜面を尻セードするが、思ったよりスピードが出ないどころか摩擦で止まってしまう。トレースとシュプール跡をたどりガンガン降りていくが、ここでもまたアホさ加減を露呈することとなる。すでに須走下山道を行くことを忘れているだけでなく、シュプール跡が吉田口に下りていったと気付く頃には須走登山道からも離れていたのである。崩れやすい溶岩尾根を越えて方向を修正し、なんとか登山道を見つけ下山し始めた頃にはガスが出てきた。

  • スキーヤーたちはブルドーザー道を滑ったのか抜かれなかった。最後の下山者と思うと心細くなる。ガスがどんどん濃くなる中、例のごとくストックを使ってガンガン下り何とか17時前には登山口に到着した。

    明るく「お帰り~」と声をかけてくれた菊屋さんで親子丼を食べて帰途に着いた。今回は、2回のルートミスと体力弱体を思い知らされる山行となった。

    PS:日焼け止めの塗り方が悪くトナカイの鼻に無防備だった首をヒリヒリとさせながら、剣ヶ峰のピークハント計画を立てようと考えている。(おわり)


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