槍ヶ岳 ~翼よ、あれが槍の穂先だ~
厳しい下山
まだまだ槍を満喫したいが、予定では夕方には新穂高へ戻るため、槍に別れを告げる。時間は9時30分。何とか明るいうちに戻れるか? 飛騨乗越を過ぎると多くの山々も見えなくなる。改めて飛騨乗越で頭を切り換え、飛騨沢を下ることにする。しかし飛騨沢は下りも歩きにくい。それにもまして、10時間近く歩きっぱなしとなると疲労も溜まってくる。しかし一番厄介なのは気温だった。残暑厳しく、一気に標高が下がるにつれて気温も上昇してくる。あまりの疲れのせいか、食事を取るのを忘れていた。途中の岩場でおにぎりを詰め込むが、疲れていて二個がやっと。
千丈沢乗越分岐を過ぎて槍平小屋に至るまで何度太陽が雲に隠れてほしいと思ったことか。途中の最終水場で空いたペットボトルに水を入れる。帰宅してからアルプスの水でコーヒーでも・・・と思っていたのだが、結局は新穂高までに飲み干してしまった。
ようやく槍平小屋のテン場が見えてきた。頭から水をかぶる。とりあえずは生き返った気がしたが、ここで無理してもいけないのでザックを降ろしてちょっと休憩。客は誰もいない。ノンビリしていい雰囲気だ。
改めて槍の穂先。あそこまで登った。
槍とも山荘ともお別れ。皆さん道中お気を付けて。
飛騨乗越からの常念岳。こうして見ると独特の形だ。木村さんには必ずリベンジを果たしてほしい。
飛騨沢を下る。細かな石や大きな石があり、歩きにくい。
意外に疲れて千丈沢乗越分岐に辿り着いた。救急箱設置の槍平小屋に感謝。
気温もどんどん上昇し、この後バテてしまう。
そして槍平小屋にようやく着いた。ここでザックを降ろし、頭から水をかぶってしばし休憩。水場があって助かったよ。
あまり休憩しても逆に足が動かなくなるので、適当な時間で槍平小屋を出発。南沢を渡り、滝谷出合で小休止。真夏の登山道をひたすら下る。とりあえずは白出沢まで辿り着けばあとは林道を歩くのみ。しかし白出沢までがなかなか着かない。笠新道のように急な下りなら勢いに任せて下っていくのだが、さほど勾配もないため、下りとはいえ前に進むのが非常にキツイ。ここまでくると勘も鋭くなってくるのだろうか、「沢だ」と思ったら前方に大きな石の沢が見えてきた。
思った通り。昼間見る白出沢は何てコトのない普通の沢である。沢を渡ったところでザックを降ろす。あとは新穂高まで林道を歩くだけだ。しかし、これがまた厳しい・・・。
槍平小屋から少し下ったところにある南沢。水は流れていない。
かなりバテてしまった。右俣谷を眺めながらちょっと休憩。
滝谷の藤木レリーフ。最初に滝谷を登った人だね。
滝谷の沢。奥に見えるは雄滝。
唯一流れのある沢には橋が架かっている。渡った先には往きで休憩した避難小屋が見える。
白出沢までやってきた。もうヘロヘロ。
暗闇の沢は怖かったが、昼間はどうってことないんだよね・・・。
穂高の稜線はガスに隠れてしまったようだ。
重機は移動されていたようだ。沢を渡ったところから林道が始まる。林道歩きの前に再度休憩。
奥穂高岳登山口。さあ、新穂高まで歩くぞ!