温見峠の現在   
  

我々は能郷白山は能郷集落の奥、能郷谷から登りましたが、温見峠から登るルートもあり、能郷谷ルートよりも人気があるようです。

実は昭和の時代から温見峠は度々訪れていました。温見峠は国道175号線の岐阜県と福井県の県境にありますが、とても山深い急坂を登っていきます。国道157号線は昭和49年に開通、翌50年に国道に昇格した新しい道です。

昭和も終わりに近い当時は岐阜県側はかなり荒れており、沢が何本も道を横切っていました。特に大きな沢のところで休んでいると後からきたバイクがスタックし、助けたことがあります。セダンやクーペでは下腹を擦るほど過酷だったんですね。それだけに交通量も少なく、温見峠に到着しても人っ子一人おらず、祠のお地蔵様だけが見守る寂しい峠でした。

しばらく温見峠には行く機会が無かったのですが、21世紀に入った秋にこっそり訪れてみました。非力なパジェロに鞭を入れようやく辿り着いた温見峠で見た光景は以前の雰囲気とはガラッと変わっていました・・・。

(訪問日:2001年11月23日)

国道157号線を北へ北へ進むと能郷の集落を過ぎた辺りから急に道が狭くなり、谷側は断崖絶壁の圧巻な光景になります。

細い道を進むと黒津の集落跡でY字路にさしかかります。道路標識は「福井県大野市57km」「越波6km」とあります。黒津の集落跡では夏場に戻って過ごす方がいるようです。

  • 福井県には抜けられますが、非常に険しい道。当然ながら冬期は通行止めです。

  • 右へは越波の集落へ通じる道です。高屋山の尾根をぐるりと回って根尾村へ戻ることができます。

温見峠に到着しました。能郷白山への登山口です。登山口周辺はキレイに草や笹が刈り込まれており、手入れが行き届いていますが、昔は草はボーボー、登山の看板もありませんでした。

※調べていったらこの登山道が整備されたのは昭和63年9月とのことです。当時は(ケモノ道くらいはあったかもしれないけど)登山道すらなかったんですね。

  • 福井県側から見た温見峠。路肩に車が停まっています。

  • こちらは岐阜県側から。福井県大野市の標識が見えます。

  • スモールランプが点いたままです。この登山者は帰ることができたのでしょうか?

  • 登山者の車でしょうが、路肩を埋め尽くしています。

もう一方の路肩にも車がびっしり。 人が誰もいないのに、たくさんの車ですね。登山口があることを知らない人だと、近くでイベントでもあるんじゃないかと勘違いしそうです。

峠の横の高台にお地蔵様が奉られている祠があります。以前は草が茂った中にひっそりとありましたが、周辺はキレイに刈られていました。ここには誰が置いたのかノートとペンが有り、峠を訪れた人が記帳できるようになっていましたが、現在祠は閉じられており、ノートもありませんでした。

福井県側へ降りていきます。ちょっと下ったところで峠を振り返りました。温見峠の標高が高いことと、国道157号線がいかに厳しい道かがわかります。

登山ブームで温見峠の様相も以前とはすっかり変わってしまいました。しかし我々も登山者。路肩に停めた我々の車を眺めながら「賑やかになったなぁ・・・」と思う人がいるかもしれません。


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