反省
反省

登山7年目にして初めて北アルプスの奥へと足を伸ばした訳でしたが、今回はいろいろと得るものが多い山行でした。これだけ長時間山の中にいると、いろいろ思うところあり、この機会に反省含めて書いておこうかと思います。


●日帰りについて

レポートにも書いたように、今回は日帰りにこだわった訳ではありません。私はさほど健脚でもないし、日帰りマニアでもないので、「コースタイム+αで明るいうちに帰ってくる」ことを目安に計画を立てたところ、夕方帰ってくることを仮定して遡っていくと、どうしても深夜の出発となりました。それでもって深夜0時ジャストに新穂高を出発。しかし深夜の登山道がこれほど危険で怖いことを思い知らされた訳です。辺りは真っ暗。白出沢の横断は暗闇の中に辺り一面大きな石がゴロゴロ。昼間は何てことのない光景なのに、恐怖でした。

登山道は狭く、浮き石で転ばないように、崖から落ちないようにと細心の注意を払って先を進んだ訳ですが、それ以上に恐怖だったのが獣との遭遇。幸いなことに出会うことはなかったのですが、夜行性動物にとってはまさに活動時間であり、イタチやタヌキならともかく、熊にでも出くわしたら・・・ それこそ休憩で立ち止まることもできませんでした。

ここからここまではこれくらいの時間で、とコースタイムを積算していきましたが、槍平小屋まで相当体力を使ってしまったようで、後の飛騨沢の登りがかなりきつく感じられました。暗闇は自分のペースまで狂わされるようです。結果として何とか当初の予定よりも余裕を持って戻ることができましたが、夜間の行動や日帰りは余程のことが起こらない限り、やめた方がいいと思われました。「当たり前でしょ」と言われても仕方がない。でも実際に体験してみて初めてわかることもあるし、何よりも北アルプスは山小屋に泊まりながら山をじっくりと味わうのがいいですね。

反省

●水分補給

水は極力たくさん持っていきました。お茶、スポーツドリンクの500mlペットボトル各1本はいつも通り。いつもは2lのキャメルバックに水を入れていくのですが、かなり汗をかくだろうと予想し、スポーツドリンクのパウダーを溶かして入れておきました。しかしこれが間違いの元だった。下りの行程では気温もどんどん上昇し、喉も渇いてくるのですが、こんな状況の中でスポーツドリンクは口の中がベトベトして気持ちが悪くなるばかり。槍平小屋へ戻る途中に最終水場があり、自宅でコーヒーでも入れようかと空いたペットボトルに入れておいた水も、新穂高に着く頃にはすっかり飲み干してしまいました。些細なことですが、これも今回の反省点です。

反省

●運もよかった

行程は数週間前から天気予報や地図とにらめっこしながら計画を立ててきました。しかしいくら計画が綿密でも実際はうまくいかないもの。今回は何よりも天気が良かったし、獣とも出会わなかったし、崖崩れや沢の増水も無く、あらゆる面で運も味方していたと思います。これが一つでも悪いことがあると、計画通り戻って来れなかったかもしれません。これもレポートに書きましたが、「日帰りで槍に登る」ことではなく、「無事に戻ること」が目標であり、大切なことであると、改めて思うのでありました。


  
  
シーズン1 シーズン2