奥黒部周回

奥黒部周回四日目 ~奥深い山域~

黒部川遡上

  

B沢出合からは黒部川に沿って遡上していく。もちろん川の中には入らないよ。川岸の岩に描かれているペンキマークを辿っていけば大丈夫。それにしてもこんな所を歩くとは思ってもみなかった。雨が降り続いて増水したらここも危なかったかもしれない。

  
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黒部川に合流。ここからは薬師沢小屋に向かって川沿いに歩く。

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B沢出合と描かれた岩。これがないと迷いそう。

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水の流れる音が心地いい。死んだ義兄は渓流釣りが趣味だったが、黒部川は来たことあったのだろうか。恐らく写真を見せるとワクワクする事だろう。

  
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川の右岸を歩いていく。この大東新道はよく地形が変わるそうで、一昔前のルートと全く異なることもあるとか。

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とりあえずは今回は増水もなく、安心して歩けそうだ。


  
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よく事故があると言われるハシゴ。滑りやすい岩にも注意。

慎重に岩を伝って歩いていくと、ハシゴが現れてた。よくよく見るとトラロープや鎖も備え付けられている。一見、どおってことのないハシゴのように思われるが、意外にも事故が多く起きているらしい。いや、ここはむしろ滑りやすい岩に注意かも。
ハシゴの次は滑りやすい岩棚の上を歩いていく。ちょっと待て、これ岩の上で滑ったら黒部川に真っ逆さまじゃないのか? かろうじて壁に鎖が設けられてあるので、しっかり固定されていることを確認し、鎖を持ちながらゆっくりと進む。これは危ないぞ。
そして左側に比較的広い沢が合流している。どうやらここがA沢か。

  
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向かって右側の岩棚が歩いてきたところ。手前の岩にペンキマークがあるので、どこを歩いてきたのかわかるよね。

水量は沢の広さからすると少ないが、ここも増水するといつ地形が変わってもおかしくはない。
沢を横切ったところで岩に描かれている「A沢出合」を見つける。これで大東新道の5つの沢を横断した。
次は薬師沢小屋に向けて川岸を遡っていく。

  
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A沢に差し掛かる。幅の広い沢だ。

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沢の奥はV字型に削られている。これも怖い。

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岩に描かれた「A沢出合」の文字。

  

A沢を過ぎた後はひたすら右岸を歩いていく。石の上を歩くほうが爪先にあまり負担はかからないが、それでもペースはガタ落ち。
しばらくすると若い男性が薬師沢小屋方面から歩いてきた。写真を取りながら歩いているが、どうやら天気が悪くなってきそうなので、今日は高天原までで宿泊しようかと考えているらしい。昨日の宿泊客は数名、夕食は絶品、露天風呂も入り放題と教えてあげると、テン泊は止めて山荘に泊まるとうれしそうに言って高天原山荘へ向かっていった。若い人は元気でいいな。いや、自分も元気だけどね。
たまに行く手が遮られることがある。よくよく見ると、手前の岩からは高巻きになっている。やはり川沿いを歩くにしても、アップダウンは避けられない。目標の薬師沢小屋には吊橋が架かっているが、まだまだ姿を現さない。

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黒部川奥ノ廊下。ここは大東新道が通っているが、奥黒部ヒュッテから続く上ノ廊下では遭難事故が多かったらしい。今では立ち入る人はほとんどいなくなったようだ。こんなところで遭難したら救助も大変だろう。


  

またもや川岸から外れて高巻きする。いい加減に息も切れそうになった時、沢の向こう側に赤い吊橋が見えてきた。あそこが薬師沢小屋だ。もうちょっと進んでいくと、薬師沢小屋の赤い屋根も見えてきた。無事に黒部川を遡上できたことに一安心。幸いなことに、雨に降られることもなかった。

  
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ようやく薬師沢小屋の赤い吊橋が見えてきた。これでまずは一安心。

吊橋の手前に人がいる。何かと思ったら、雲ノ平への分岐があるのだ。ほとんどの人は太郎小屋からこの薬師沢小屋を経て雲ノ平へ向かうらしい。つまりは、折立から雲ノ平への最短ルートがここなのだ。分岐にいた人たちは雲ノ平を目指して「直登」と書かれた坂を登っていく。
そういえば大東新道ですれ違った人って、さっきの若者を含めて3人だったっけ。

  
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薬師沢小屋も見えてきた。黒部川はこの先雲ノ平を巻くようにして三俣山荘近くの黒部源流へと続く。一方、山小屋の名前にもある薬師沢は小屋の右手から太郎山方面の谷に続いていく。

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ここが雲ノ平への最短ルートの分岐。みんなここを登っていく。

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吊橋へは一旦河原からハシゴを上らねば。

  
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赤い吊橋を渡った所が薬師沢小屋。意外にも吊橋は揺れに揺れてちょっと怖くもある。テラスにザックを下ろし、缶ジュースを買って飲み干す。何とかここまで来たぞ。
どうやらここは渓流釣りの人も訪れるようだ。ここでは釣った魚は必ずリリースするらしい。やっぱ自然にはできる限りローインパクトでいきたいもんだね。
次は太郎平小屋のある太郎兵衛平への登りだ。

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薬師沢小屋に到着。ここも小さな静かな山小屋。ほとんどの人が雲ノ平への中継点としているようだ。


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