奥黒部周回

奥黒部周回四日目 ~奥深い山域~

幾つもの沢を越えて

  

いつもは山荘でほとんど寝ることができないが、昨日以上に熟睡してしまった。今日の出発は3時半。大東新道は何本も沢を渡るので、万が一のことを考え、沢に差し掛かるところで明るくなるように出発する。今日は標高差はさほどないコースだが、薬師沢小屋から太郎平小屋までの登りが唯一体力を使うところか。
山荘とこれから歩くルートに一礼して出発。しばらくは高天原の木道を歩いていく。あちこちから沢ノ音が聞こえてくるのがいい。何はともあれ、ヘッデンの電池が4日にしてもまだ十分あるのも安心できる。暗闇の中をゆっくり登っていくと、途中で岩苔乗越との分岐に差し掛かる。昨年何度も通った岩苔乗越だ(とは言っても3回だけど)。

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お世話になった高天原山荘を出発。また来たくなるような山荘だ。

  
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今日は大東新道を歩く。まずは高天原峠へ。

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からまつの湯にも浸かりたかった。これはまたのお楽しみ。

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岩苔乗越への分岐点。通常で3時間半近くかかるそうだ。


  
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高天原山荘に到着。薬師沢、高天原、雲ノ平への分岐点。

山荘から1時間ちょっとで高天原峠に到着。まだ辺りは暗いが、爪先の痛みもほどほど。ここから雲ノ平山荘への直登ルートが延びている。あまりペースを上げずに再出発。いよいよ大東新道の沢巡りだ。今日の天気は予報どおり空一面に雲が広がり、今にも雨が降ってきそうだ。何とか今日一日持ってくれればいいが、これもほぼ諦め。むしろ沢沿いに歩く大東新道の醍醐味を味わいたい。
そろそろ空も明るくなってきたようだ。とほぼ同じ頃、「E沢」の標識だ。標識からちょっと進むと小さな沢が登山道を横切っている。水量は多くはない。まずは一つクリア。

  
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「ここはE沢」の標識。大東新道は大きく5つの沢を横断する。

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ここがE沢。水量は少ない。

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水量が多いと渡れないかもしれないね。

  
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薬師岳の稜線は厚い雲の中。初日同様、山頂からは何も見えないだろうね。

右手の稜線は薬師の東南稜だ。あいにく初日と同様、薬師岳には厚い雲がかかっていてその姿を望めない。次はD沢、続いてC、Bと続いていくのだが、ルートは平坦ではない。軽くアップダウンを繰り返しながら標高を下げていく。やはり下りでは爪先に負担がかかって痛い。しかし最終日ということだろうか、気分的にはこれまでより楽に思えてくる。


ちょっと登って下っていくと、間もなく「D沢」の標識が現れる。D沢へはちょっと頼りない木製のハシゴで下りていく。ここも難なくクリア。道が細いので谷に足を踏み外さないように注意せねば。

  
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「ここはD沢」の標識。かなり古そう。

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見下ろすと小さな沢が登山道を横切っている。

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D沢へはハシゴで下りていく。たまに滑って怪我をする人もいるとか。

  
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恐らくここがC沢。沢の向こうに小さな滝が見えるね。

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D沢から歩くこと約15分。またまた沢が現れた。次はC沢のはずなのだが、標識を見落としたのかな?沢の上流を見ると小さな滝が見える。
ここがC沢だとすると次はB沢。今のところいいペースで歩いてきてるようだが、ここで調子に乗ってしまうと薬師沢小屋からの登りでバテて足が止まってしまうだろう。今日は明るいうちに下山できればいい。無理せずマイペースで。


  

C沢らしき沢から約30分。大東新道名物(?)クマとイワナのイラストが描かれた「B沢」の標識が現れた。やはり先ほどの沢がC沢だったようだ。
B沢はこれまでの沢より水量が多い。沢を渡ると、この先は沢伝いに下りていく。すると目の前には大きな流れ。そう、これが黒部川。奥ノ廊下に合流した。

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奥深い山にホッとさせるB沢の標識。これを見ることができただけでも大東新道を歩いた価値がある?

  
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水量が豊富なB沢。今日はまだ少ないほうかも。

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沢に沿って下り、途中で渡河する。増水したら歩けないかも。

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目の前に黒部川本流が現れた。ここがB沢出合だね。


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