奥黒部周回

奥黒部周回三日目 ~絶景一転罰ゲーム~

樹林帯の中

  

まだ暗い中、今日は読売新道を歩いて赤牛岳に向かう。スタートから1,360mの標高差を登る、ある意味今回の山行の中で最も体力を使うステージかもしれない。4日のうちの3日目。まだパンクする訳にはいかない(パンクしたとしてもこの山域から脱出するのに日数を要するが)。調べてみると今日歩く読売新道は長い道のりで途中でエスケープする箇所が無い大変厳しいルートだ。昨日、一昨日と異なるのは今日は天気が良くなること。少しでも絶景を拝むことができれば多少なりとも元気の源になるだろう。

  

いつものようにお世話になった小屋に一礼、更にこれから歩く道に向かって一礼する。読売新道はヒュッテの前の水場に架かる小さな橋から。ヘッデンで行く先を照らし、樹林帯の急登を登っていく。
ヒュッテで言われたのは、樹林帯は長いけど、日の出の頃には抜けられるとのこと。まずは長丁場の登りでバテないようにゆっくりとマイペースで登っていく。

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ヒュッテを出発。大変お世話になった。またゆっくり泊まりに来よう。

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長い長い読売新道がここからはじまる。その先のことも考えてマイペースで。


  
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読売新道に設けられている「#/8」の標識。これが赤牛岳までの目安となる。

ヘッデンが明るいので木の根が張り出した急登でも路面の様子がわかりやすくてありがたい。しばらく急登を登っていくと、途端に下りになった。最初は間違えたかと思ったが、左から聞こえる沢の音や時々現れるペンキマークで正しいルートであることを確認していく。しばらくは所々木の根をつかんだり、岩を乗り越えるような箇所を通過しながら高度を稼いでいく。
出発から2時間ほど経ったところで「1/8」の標識が現れる。赤牛岳まで8等分された標識が設けられているので、これを目安に休憩を挟んでいくとよさそうだ。
この後は「2/8」、「3/8」と順調に登っていく。日の出30分ほど前で空が明るくなってきたが、歩いているところは樹林帯の中。まだヘッデンを消すには早いかな。でも今日は予想どおりいい景色を見ることができそう。

  
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「2/8」の標識。まだ樹林帯の中で辺りは真っ暗。

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読売新道は読売新聞が1961年に北陸支社開設の記念として整備した登山道らしい。

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「3/8」に到着。何とかここまでいいペース。まだバテていない。っつーか、ここでバテてどーする?


  

空を見上げると東の空が明るくなってきた。そろそろヘッデン消しても大丈夫のようだ。できれば中間地点の「4/8」で日の出を拝みたいのだが、雲が出ていてご来光とはいかなかったよう。しかし久々の晴れ。やはり晴天の中の登山は気持ちがいい。
そして「4/8」地点で樹林帯を抜ける。振り返ると朝日に照らされた立山。その右手には昨日渡船した黒部湖だ。この景色が見たかったんだよね。

  
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「4/8」直前で思わず振り返ってみる。木々の間から立山。そして黒部湖が白馬岳を従えているよう。

  
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朝日に照らされる立山。この景色には感動モノ。あそこも登ってみたいものだ。

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樹林帯を抜けると「4/8」に到着。赤牛岳までの中間地点。

  
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「4/8」の標識から再度黒部湖方面を望む。立山の手前には昨日下りてきた五色ヶ原からの尾根も見えている。こりゃ標高が上がったらどんな絶景になるんだろ?

  
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左の独特な形の山は烏帽子岳。

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一番高いピークは三ッ岳だ。ここらの山々も位置関係を覚えなくては。

  
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朝日の赤味も消え、深緑の立山となった。じっと見てると神々の住む山というのもうなずける気がする。

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順調に中間地点を過ぎたと同時に、樹林帯を抜け一気に眺望が広がる。これまでの2日間はひたすら視界の悪いガスの中を歩いてきただけに、この絶景は何とも言えない。
でも見通しの悪いガスの中を歩くのも登山。今日のように青空の下、絶景を拝めるのも登山。どんな状況でも楽しめるようにしなくちゃね。行く手を見上げるとまだまだ登らなければならない。中間点を過ぎたばかり。先は長いぞ。


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