※ここから先、かなり悲惨だったのであまり写真はありません。ご勘弁を・・・。
溜池から再度三角点手前の看板まで引き返す。注意して踏み跡を探すが全く見あたらない。スマホのGPSで確認すると、ルートは三角点から一旦市町村境に沿って下り、コルから大きく南へ曲がって溜池へ下っていく。カナクズ山方面へ向かうとしたら、このコル辺りから西へ向かって進まないと行けないハズ。しかしルートは見あたらず。
こうなったらヤブ漕ぎだ。少しでも進みやすい箇所を探しながら雑木や蜘蛛の巣を掻き分けて強行突破。しばらく悪戦苦闘しながら強引に進むとシダの茂った中に踏み跡らしきものが見つかった。そのまま辿っていき、どうやらピークらしき場所に到達。GPSで位置を確認すると、何とカナクズ山東のピークであった。踏み跡らしきものは続いている。
やはりこんな所を登る奴もいるもんだと思ってはいたが、途端に踏み跡は無くなってしまった。もしかしたら本当の「獣道」だったのかもしれない。ちょっと下ってまた登る。今まで雑木に囲まれて周りが見えなかったのだが、前方がわずかに開けた。ここがカナクズ山直前のピーク。となると目の前にちょこんと突き出た山がカナクズ山か? しかしやばいことにパラパラと雨が降ってきた。
最後はほとんど目の前のピークを目指してヤブや木々を掻き分けて進むのみ。ようやく辿り着いた先には苔むした境界杭が地面に埋め込まれているだけであった。これがカナクズ山の正体。
境界杭の周りは木々に囲まれて立っている場所もない。それどころか写真を撮ろうとして立ち止まるとヤブ蚊がどんどん集まってくる。ここは速攻で退散したいが、下山もルートはない。行こうとする先は雑木と蜘蛛の巣だらけ。さて、無事下山できるのか?
雑木の中から一瞬視界が開けた。目の前のちょっとしたピークがカナクズ山のてっぺん。
カナクズ山頂上に埋められている市町村境界杭。果たして何人が訪れただろうか。
この先どうやって下山しようか・・・立ち止まって考えている余裕はない。
生粋の方向音痴ではあるが、まるで身体の中にコンパスがあるかのように雑木林の中を下りてきた。前方から光が漏れてきた、ということはようやく下ってきたか? あそこに見えるは・・・民家だ! 何とか無事に下りてこられた。この先明瞭な踏み跡が続いている。恐らく県道に繋がる道に出るだろう。しかしどの辺りにでるんだ?
と思った途端、前方に見慣れた光景が飛び込んできた。出発地点のサークルKだ! 出てきたところはまさに出発点。県道に出て振り返ると、確かに草にまみれてルートが口を開けているが、こんなところ誰も入っていこうとはしないぞ!
サークルKを出発してサークルKに到着するまで約2時間半。なかなか内容の濃いプチ紀行だったが、頭から足の先まで蜘蛛の巣や木っ端まみれ。恐らく二度と行くことはないだろう。木村さんが行きたいと言えば別だが。
山頂から下ること10分少々。視界が開け、民家が見えてきた。
下りてきたところを振り返るが、どこをどうやって下りてきたんだ?
踏み跡をたどっていくと見慣れた光景。あれ?サークルKだ!
県道に出た。よーく見ると草や木々の中に入り口が隠れているが、誰も突入しようとはしないだろうな。
目の前のカナクズ山。その正体を見たり。
登頂完了のサムアップ。まさかリトライは・・・ないだろうね・・・。